家族と向き合う

【第一発見者】孤独死だった父【私の経験】

今までに誰かの第一発見者になったことありますか?

高齢の親が必ずしも病院で亡くなるとは限りません。

ましてや施設になかなか入れない現状は、この先ますます自宅での看取りを余儀なくされることになります。

私もまさか、

自分がこの歳でこんな経験をするとは思いませんでした。

でもそれは、実は誰にでもいきなり降りかかることかもしれません。

今回は父の第一発見者となった私の経緯と経過についてお話します。

この記事をおすすめの方
  • 高齢者の親がいて自宅で介護をしている
  • 親が実家で独り暮らし(同居していない)
  • ひとりっ子である
  • もし自分が第一発見者になったらどうすればいいかわからない

この記事を書く人(2022.7.7現在)

◇現役美容師 51歳

ひとりっ子

◇母60歳(20年前)父70歳(8年前)に他界

亡くなる前の父の状態

  • 独り暮らし 70歳
  • 介護制度の認定は取得するものサービス利用はすべて拒否
  • 腎臓病で透析を受けなければ生きていけない身体だった
  • だんだん治療を拒むようになっていた

それではここからは

発見当日~遺体の引き取りまでをお話します。

発見当日

20〇〇年3月 

近所の方

ご実家の電気がここの所ずっと点きっ放しだけど大丈夫?・・・

私の携帯に電話が入った。

父に電話をかける全く出ない。

車で実家に着いたのは朝4時頃だったと思う。

こんな未明にダイニングの電気がこうこうと点いているのが駐車場から見えた。

嫌な予感しかしなかった。

実家の玄関を開けるとダイニングまで筒抜けで見える。

人が横たわっているのが見えた。

すぐさま上がって近づくと父がうつ伏せで倒れていた。

まだ肌寒い3月末に、ほぼ肌着に褞袍(どてら)だけという寒々しい恰好だった。

顔に触れるととても冷たい。

口に手を近づけても息を感じない。

素人目に見ても死んでるし数日は経ってる・・・

こういうとき、救急車?警察!?

とにもかくにも119番に連絡をしてしまった。

ぶぶこ

あの…もう息もしてなくて冷たいんですが・・・

消防署の人

うつ伏せの状態から仰向けにしてください

ぶぶこ

えっ!!?硬直して固まってます!一人で仰向けになんて無理です!!

消防署の人

いいから仰向けにして心臓マッサージをしてください!

ぶぶこ

えええええ!!!??(色々問題あり過ぎでは!?)

電話越しでやりとりしてる間に救急車が来ていた

中ば混乱して手を出そうとした私を見かねた旦那が

「今、救急隊員来たからもう止めなよ」と制止してくれた。

現場に来てくれた救急隊員にお任せした。

死後経過しているので救急でできることはなく警察に連絡ということになった。

もし無理矢理に指示通りにやっていたら……

かなり悲惨なことになっていたと思う。

救急に連絡した以上は蘇生指示を受ける形になるのは当然なので、亡くなってると気づいた段階で警察に連絡するべきとなっています

また、警察が介入する場合は亡くなった人の状態はそのままにしておかなければならない(触らない)

検視と事情聴取

同日朝8時頃

警察の方々が来た。

父の身体を3人くらいで囲み調べ始めた。

警察官

良いというまでここから出ないでくださいね

私は別室に待機するように言われ、トイレ以外はここから出てはいけないと指示された。

何も飲み物を用意してなくて喉がカラカラだったけどコンビニにも行けなかった。

遺体のある部屋は立ち入り禁止のロープで囲まれて警察官以外立ち入り禁止になった。

数人は父を調べ、一人は私への事情聴取となった。

警察官

事件性を疑うわけじゃないんですが、自宅で亡くなった場合はせざるを得ない事なんで気を悪くしないでくださいね。

母の時もそうだったんで慣れてます…(とは言わなかったけど)。

父の日常、兄弟、交友関係、趣味、性格、病歴(その場で病院に確認される)

私の個人情報、関係性、第一発見時の状況などなど…

ぶぶこ

あと何時間くらい缶詰状態なんだろう…

とにかく長いです。

時計をみるともう11時で、かれこれ4時間近くは経っていた。

私はやっと解放された。

父は遺体収納袋に収められて検視のため警察署に運びだされた

遺体の引き取りとその後

その日の夜、

事件性はないということで警察から遺体の引きとりに来るように連絡があった。

日中に連絡をしておいた葬儀社と警察に向かい、通夜まで安置室で保管してもらうこととなった。

一週間ほど放置されていた父の遺体は、肌寒い時期とはいえ見るに堪えがたい状態だった。

葬儀社の担当から「遺体の損傷が激しいのでエンバーミングという措置をとりませんか」という方法があると教えてもらった。

提案通り、告別式でみんなと最後にお別れができるよう綺麗に修復してもらった。

エンバーミングとは、ご遺体の防腐や殺菌・消毒、修復をして“故人を生前のような美しい姿で長期保存できる”技術です。

何もしていないご遺体は時間とともに腐敗が進んでいきますがエンバーミングをしておけば腐敗しにくくなります(費用は約15万円から25万円)。

最後に

父を発見してから一連の流れを終えて実際のところ、そのときは悲しいとか辛いとかいう感情はありませんでした。

とても頑固で人の言うことは聞かない父でしたが嫌っていたわけではなく、感傷に浸ってる余裕がなかったという方が正しいですね。

すぐに翌日からすべきことが山のようにあります。

兄弟姉妹はいないので、すべて一人でこの後の関係各所の手続きをしなければなりません。

すぐさまネットで調べて段取りを組みました。

死亡届、火葬の許可申請、葬儀者との打ち合わせ、菩提寺への連絡、親族への連絡etc…

ぶぶこ

やることが山積みでパンクしそうだ・・・

税務署、法務局、銀行、生命保険、携帯電話、商工会(父自営の廃業届)への連絡etc…

これらを半年くらいかけて全て整理しました。

ここまでは父に関する手続きとなりますが、この先は実家を相続するにあたり頭の痛い問題を片付けていく運びとなります。

ぜひそちらの記事も読んでみてくださいね。

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