歳をとるにつれて人の話をちっとも聞いてきくれない
すごい頑固で大変な親だから本当に困るのよね
親と子の立場が変わり始める50代によくある悩みですよね。
ですが、考え方ひとつで「自分を苦しめない」ことができます。
この記事では、私が高齢の親の面倒をみて体験したことや、仕事柄多くの高齢者の方々からのご意見から得た「自分をラクにする方法」をお話します。
遠方に住んでいながらも私ができることはやり切れたと後悔はまったくないので
「頑固でいうこときかない親との接し方に悩んでる人」
は、3分で読める記事をなっていますのでぜひ最後まで読んでみてくださいね。
この記事を書く人(2022.7現在)

◇現役美容師 51歳
◇毎日高齢者と接している(仕事)
◇母60歳(20年前) 頑固な父70歳(8年前)に他界
◇ひとりっ子
いうこと聞かない親への接し方
デイケアに行かせたいけどちっとも行かない。
病院にいってほしいのに行ってくれない。
行きたくないのに行かせようとするのは本当に難しいですよね。
やや聞く耳をもっている場合

時間はかかるけどじっくり説得する
【説得の方法】行くと得られるメリットをあげる
- 行けば足腰が鍛えられて寝たきりにならないよ
- 行ったらお父さんの好きな将棋ができるよ
- 行けば○○さん(友達)もいるから話ができるよ
- 介護保険払ってるんだから使わないと損だよ
1回目を行かせるのがとにかく大変ですね。
2~3回通い始めてそこそこ慣れてくると、よほど嫌な人でもいなければ通い続けてくれる可能性が高いです。
男性の場合はかかる費用を気にする人が多いです。
漠然と利用料は高いと思っている高齢者が多いので、
- どれだけひと月にかかるか
- 介護保険を使うことで通常と比べてどれだけ割安になるのか
と、紙に書いてわかりやすくして見せてあげるとちょっと目と耳を傾けてくれます。
それでも「そんなのもったいない攻撃」がきたら
「介護保険はらってるのに使わないともったいない」返し
が結構有効です。
現に年金からもちゃんと引かれてるわけですから。
使わないで一生終えるのは本当に「もったいない」ですよね。
まったく聞く耳をもたない場合

親の生き方だと割り切る
私は実際このパターンでした。
何度も何度も透析に行こうと言ってもまったく行ってくれませんでした。
透析を受けなければ死んでしまうのに
子供の私がこんなにお願いしてるのに
でも、これはすべて
私側の勝手な望みに過ぎなかったのです。
だだ頑固だからという理由だけじゃなく、
病気になった親には親なりの
生き方・考え方がある
ということにハッとさせられました。
そのときにはもう、
子供の意見を聞くことは親にとっては重要じゃなかったのです。
それに気がついた私は遠方に住んでいながらできることを探しました。
- 休みの日だけは毎回実家に戻る
- そのとき自分ができた最大限の行動だった
- 食事の買い出しをする
- 食べることだけは不自由させたくなかった
- かかりつけ医と相談し続ける
- 通院拒否はしていてもあきらめなかった
私が悲しいとか苦しいと切ないとか
それらはすべて、
命の限りが見えた親の生き方や方向性を変える理由にはなりませんでした。
親がして欲しいことに応えること、
それが唯一私のできることだと割り切りました。
私の立場で私ができることはそれしなかったのですが、
最大限の親孝行
をしたと呑み込めたのでまったく後悔はしていません。
親の人生は親のもの

なんでこんな頭が固いの?
なんでこんな偏屈なんだろう?
なんでこんなに子供のいうことが聞けないの?
よかれとを思ってしてあげてるのに~!
残念ながら、
「自分のよかれ」は「親のよかれ」にはなっていないことが多いです。
それは立場が全然ちがうからです。
親には親の経験や考え方があり、生き方があります。
それは何十年と培われたものなので、70歳80歳になったときにそれを変えるなんて到底無理な話なんですよね。
考え方を変えることができない頭の固い親。
それなら、発想と行動を変えられるのは頭が柔らかい子供(私達)です。
え?そんなの無理でしょ。
親のためを思ってやってるのになんで!?
わかります。
そのとおりです。
でも頑なにそれを通そうとすると、衝突ばかりで親も子も疲れ果ててしまうんですよね。
でもちょっとここで、
親の人生は親のもの
って見る角度を変えてみませんか?
それが片隅にあるだけで、今までがんじがらめで苦しかったのに肩の力を抜いて接することができるようになりますよ。
親と子の立場が変わるとき
50代の子に80代の親。
親が年齢と共に心身が弱くなってくると、子が助けて支えてあげるのは当然ですよね。
病院につきそう、
送り迎えをする、
食べ物に気を使う、
買い物に行ってあげるなどなど…
すべて子供の時にしてもらったことを、お返しするくらいになるでしょうか。
親子の立場が変わりつつある節目ですね。
そのタイミングで
老いては子に従えと昔から言うからねぇ
と、すんなりと子のいう通りに優先して受け入れてくれる親もいます。
「そのほうが楽だから」
上手に子供に頼ってくタイプですね。
プライドに縛られずに達観している親の場合は話しやすく、協力し合いながら進めていけるので今回に記事には該当しないケースかと思います。
「まだまだ子供の世話にはならない・頼りたくない」
こちらが昭和20年前後の頑固な親に多く、
私たち世代が頭を悩まされるのことが多いタイプですよね。
親にはとにかく元気でいてもらおう
ピンピンコロリがいいわねぇ
高齢者の方々が口をそろえて言う命の終わり方です。
カンタンに言うと
行きたいところに行けて、
好きなように生きて、
寝ているうちにぽっくりと逝けたら最高
なので、年齢的にもう病気で長患いすることがいちばん嫌だそうです。
もちろん、
子の立場からしても親にはずっと気でいてもらいたい。
それならここで大事なのは、
親が自分でできそうなことを先回りにやり過ぎない方がいいです。
例えば、
- 危ないから料理はさせない → 手先と脳を使う機会をなくしてしまう
- 歩けるけど全て送迎してあげる → 歩いて足腰を鍛える機会をなくしてしまう
- 話せるけど遅いから代弁してあげる → 脳と口をつかう機会をなくしてしまう
なんでも代わりにしてあげてしまうと、
身体を動かす・認知機能をつかう機会を失う
ということにもつながってしまいます。
もう年老いた親だからと、なんでもやってあげてしまうと返って体力や気力がなくなってしまいます。
もし万が一それでケガをすることもあるかもしれません。
それは親でなくても子供でもそうですが、意思があって動けるならカゴの中で生活させるわけにもいかないですよね。
また、何よりも自主的に行動していることに充実感をもっています。
私のお客様もみなさん口をそろえて
あと何年生きられるかわからないから
好きなように生きたいの
とおっしゃいます。
また、80になっても90になっても認知症や歩けない人でない限り、行動やお金の使い方に制限をかけられることはとても傷ついています。
でもあえてそれを子供に言わないのは、
- 息子の場合
- 息子を立てている【男であり大人だし面倒くさい】
- 娘の場合
- 言うと強く反論される【勢いで負けてしまうし面倒くさい】
もう中年にもなり確固たる考えがある子と異見しあうのは疲れてしまうのだそうです。
やりがいは元気に長生きできるエッセンスなので、ぜひ尊重してあげてください。
女性なら食事の支度は身体も動かして脳トレにもなるのでいちばんオススメです。
たった一品だけでもそれが役割になればやりがいに繋がります。
お母さんの煮物にはやっぱりかなわないんだよね。
ちょっと味が濃くても目をつぶって、褒めたり称えたりするだけで薬よりも元気の素になります。
ゆったり動作にイライラすることももちろんあります。
ですが、
考えて行動できるうちはよほど重要な事でない限り、親にゆだねておく事柄があった方が認知機能も身体機能も衰えにくい傾向があるといわれています。
特記すべきは本研究では男女ともに役割が生きがい感を強く規定していたことである。高齢者は加齢とともに役割の縮小・損失を余儀なくされ、役割という域外の縮小・損失と心理的不適応状態を起こすことが指摘されている。 ~抜粋~
在宅高齢者の性格特性、生きがい感関連要因および生きがい感の関連性 山口県立大学学術情報
親が元気で、自分の考えて自分の脚で歩いてくれていることほど子孝行なことはないですよね。
親が頑固でも自分をラクにする方法

優先順位第1位は自分にする
高齢になったあるいは病気になってしまった親がいるとき。
子としてはなんとかして力になりたいと思うのは当然ですが、自分のことを最優先に大事にするようにしてください。
親の面倒をみることで自分の体調を崩してはいけない
なぜなら自分を守ることが
親を守り夫や子供を守ることになるから
自分を守ることの意義
- 自分を守ることが親を守る
- 子(自分)が倒れたら親の面倒を看れなくなる
- 自分を守ることが夫を守る
- 妻(自分)が倒れたら夫の健康管理ができなくなる
- 自分を守ることが子を守る
- 母(自分)が倒れたら子供の健康管理ができなくなる
子であり妻であり母である私たち。
自分の体調やストレスをコントロールしなければいちばんに大切にすべき家庭が回らなくなってしまいます。
結婚してる人は自分の家庭での立場が最優先です。
親ももちろん大事ですが、親のことと自分の家庭のことは別問題です。
私たちには私たちの人生があり、親を看るために重きをおくことではありません。
冷たいことを言っているように聞こえるかもしれませんが、
子の人生にも限りがあることは事実です。
自分の人生>親の人生
これでいいんです。
この逆は心身がくたびれてしまうし、親へのイライラが募るだけなのでおすすめしません。
自分がやりがいのある仕事もっている、あるいは大好きな趣味がある。
あきらめたりやめたりしないで、自分の居場所(こころ)をいちばん大切にして見失わないようにしてください。
ではどうすれば自分を大切に守れるのでしょうか。
自分の時間をつくるようにする
預けられちゃってかわいそうに!
子供なんだから親をみるの当たり前でしょう!
こんなことを未だに平気で言う人が多くいるのも事実です。
でもこの人たちは実際にみていないから言えることですね。
あくまで無責任な発言なのでまったく気にすることはありません。
無視で構わないです。
責任もってみている人が親をどうしてあげたらベストかを考える権利があります。
ラクになるための時間の作り方
- 介護制度を利用する
- 介護制度が使えなくても自分が自由になる時間をつくる
- 時間曜日を決めて定期的に外出する
ここで提案したいのが、
②介護制度を使えなくても自由になる時間をつくることです。
1時間でも2時間でも解放される時間をつくってください。
趣味にショッピングに出かけてください。
24時間一緒にいるとお互いに鬱陶しくなるのは当然です。
あえて離れる時間を持つことで相手にやさしくなれる
というとても大きなメリットがあります。
これは自分の子供に使える方法でもあり、家族だからこそ離れることで初めて見えてくることがたくさんあります。
社会人になった子供との距離感に悩んでる方はこちら
親の場合は「留守している間が心配」というのも当然ありますよね。
これの解決策として見守りカメラというものもあります。
これをうまく利用して外から声を掛けたり、
今なにか食べたいものない?
なんて、リアルタイムで欲しいものを聞いたりすることもできて結構便利です。
離れてる時間でも相手を思いやり喜ばれ、イライラがお互いに減りますね。
電話だと面倒くさいけど何も持たずに話せることも楽チンでいいみたいです。
ちなみに私は今でも飼っている犬の見守りにも使っており、声をかけたり様子を見るのに重宝しています。
まとめ
今回は高齢な親がいる50代に向け、自分を苦しめずに肩の力を抜いてできるだけラクに親とつきあっていく方法について記事にしました。
私たちには私たちの人生があるように、親の人生は親のものです。
生まれたときからいるのが当たり前なので、お互いに我が強くなって
「よかれと思って」
言いたいことを言い合ってしまうから喧嘩になってしまいます。
おまえのためを思って言ってるんだぞ!
そう親に言われて反抗した子供の頃を思い出しませんか?
他人だったら言い方に気をつかうのに親子だとなかなかできないものです。
でも親は素直に言わないけれど
できるだけ苦しまずに
できるだけ子供に迷惑をかけないで逝きたい
と思っている親がとても多いです。
親が自分で自分のことができる生きがいある環境つくり
をつくってあげるだけでも私たち子供側はとても楽になります。
私が親に対して選んだやり方は、見る人かた見たらなんて冷たい行動だと言われるかもしれません。
実際私自身もこんなに淡々としていていいのか?間違っているんじゃないか?
ものすごく悩んだ日々がありました。
だけど、自宅と実家を何往復もして疲弊しているうちに
何を優先しなきゃいけないのか
と考えさせられました。
そのときに優先すべきは自分自身であり私の生活(家庭)であると判断しました。
あれこれすべて100%はできないのだとわかり素直に行動し自分を守りました。

人によっては例えば実家暮らしで親との共同生活で、親が最優先となっている人もいるかもしれません。
もちろんそれも選択肢のひとつです。
ですが、
ご自身がものすごく苦しいならそれは
自分を大切にしないといけないという身体からのサイン
だということを忘れないでください。
そしてサインが出たら、
- 誰かに助けを求める
- 親はみるけれど離れる時間もつくる
- 親よりも自分の身体と時間を優先することに切り替える
いろんなラクになる方法があることを思い出してください。
そして、
自分をカラダとココロを守ってください。
親より先に倒れてはいけないのです。
親を見送ってあげないといけないのです。
あなたの周りであなたをいちばん必要としている人達(夫・子供)のことも忘れないでくださいね。
以上、今回はいうこと聞かない親への対処方法でした。
また以下の記事では、実際に私がいうこと聞かない父親とやりとりした内容になっているのでぜひ併せて読んでみてくださいね。
